「開拓者としてグローバル言語である中国語を武器にする!」台湾/川ノ上さん

こんにちは!WIU受講生のMiyuです。

「そもそもワーホリでどんな経験ができるのか」「ワーホリから帰国後に次のステップに繋げることができた人は、どんな過ごし方をしたのか」……ワーホリの形は十人十色。だからこそ、準備や現地での過ごし方、帰国後のキャリアなど、迷う方も多いのではないでしょうか?
ワーホリ経験を通して自分らしく輝いて生きている方のストーリーを取材し、お伝えしていきます。

第3回目となる今回は、中国の先進都市として高い注目を浴びる深センでビジネスを展開する川ノ上さんが、
日本人として中国語を活用してグローバルでのビジネス開拓者となるためにワーホリを活用したストーリーをご紹介いたします。

ー今の職業とやっていることについて教えてください

2017年に中国深センにて現地の産業リサーチや産業ツアーの企画、商談の設計やビジネス開発のサポートをするような事業を起業しました。
そこから1年くらいの間は、特に私自身が興味があったドローン産業に焦点を当ててリサーチや発信をしているうちに、日本でドローンの技術開発をやっているスタートアップと知り合い、結果的に彼らの中国展開をがっつりサポートする役割として、現地法人の現場責任者を兼任することになりました。
加えて、東洋医学のAI診断サポートサービスを作っている日本のスタートアップも中国マーケットに非常に関心があるということで、
中国を切り口にしたグローバル展開の戦略作りの部分を一緒にリサーチをしたり、構想を練ることを伴走型でやっています。

ーワーホリに行こうと思った経緯を教えてください

2014年の後半頃から東京にいた際に、以前北京でお世話になった中国人の社長さんが出張で東京で来ていて、お会いする機会がありました。
その方は日本人留学生の北京現地での学習・不動産などの生活サポートをする会社の経営をしていたのですが、
その延長線上で語学研修の事業を考えていて、本格的な中国語教育の体系作りに、と投資を受けたらしいんですよね。
その流れで、海外拠点の1つ目として東京でやりたいとのことで、お会いしました。

中国語教育に関し、私自身経験も興味もあったので、リサーチのサポートをすることになりました。
立地や価格帯等いろいろと見ていく中で、教材とかコンテンツは、私の留学経験時から10年も経っているのにあまり変わっていないことに気付き、本当に良いコンテンツを提供できるのであれば、市場は広がると直感で思ったんですよね。
そこから立ち上げにジョインすることにしました。

当時社長さんの考え方としては、出張もしくは駐在員として日本から中国に行く方の中国語を養成したいという感じだったのですが、
2015年は尖閣問題などもあり日中関係が緊張していました。日本人を中国に派遣するという日本からのアウトバウンド需要があまり良くなかった。
一方で、ちょうど2014年くらいからはインバウンドが盛り上がり始めていたんですよね。
であれば、出張者にターゲットを絞るよりも、中華圏からのお客様の接客をするような研修に切り替え日本側でプログラムを組む、という風にした方が需要があるのでは?と考え、実際に研修をやっていました。

その中で、留学経験など自分は実際に中国語を学んでみて、セカンドランゲージとして非常にポテンシャルのある言語だと思っていましたが、それを体現している日本人が非常に少ないことに気がつきました。
そのレベルで使える日本人で露出が多いのは、色々渦中の人になってしまった福原愛ちゃんくらいですよね(笑)
スポーツの世界だけでなく、ビジネスの世界においても、現場には中国語をそれくらい話せる人はいるけど、なかなか身近な存在ではなくイメージがしにくい。ロールモデルをもう少し紹介していくことが、具体的に中国語を使うという意識付けになるのではと考えました。

そこで、中国語をビジネスの場で活用している方の事例を取り上げる企画を立ち上げて何人かインタビューをしていきました。
その中で、当然その人たちのストーリーも面白かったんですけど、自分がもう1回出ることで、新しい中国語を使ったビジネス開拓のストーリーを作れるのでは、と閃いたんですよね。「もう1回海外に挑戦しよう。自分自身がもう1回出ていこう。」と決めました。

いくつか候補地を探していく中で、ワーキングホリデー制度を使いながら行けるのであれば良いのではと。
英語圏や中国圏にこだわっていたのではなく、中国語が有用である、日本人が英語に加えて中国語を話すことで価値が出せそうな場所はどこなのか、という観点で考えていたんです。
その中で、ワーホリが使えて条件に近い場所としてカナダのバンクーバー、香港(広東語メインですが)、などを検討し台湾もその一つでした。台湾というのは、中国大陸と漢字は繁体字と簡体字で違いますが、当然中国語がメインの言語なので、近いし行きやすいのではないか、ということで台湾を最終渡航先としてワーホリビザを取得しました。

ー海外行くまでにした準備、したほうが良かったこと

生活コストを下げるために、下見時にユースホステルでのエクスチェンジ(給与はないがバイトで宿泊料がタダになる)を探しておいたことが1つ、もう1つはコストは下げつつどういうテーマを持って現地で動くのか、ということですよね。
私の場合は言語的な興味と現地にいることで中国語を使ってどんなビジネス開拓の可能性があるのか、を探ってみるというテーマがありました。だからある程度ネットで現地でのビジネストレンドや最近の大学生の動向、イベント情報を集められるようなサイトを調べたり、言語交換パートナーを募集したりしました。実際に当時は毎週水曜日に様々な業界のスピーカーが登壇する業種交流会に積極的に参加していました。

語学力については、目標とするレベルとの差がイメージできるくらいじゃないと戦意喪失しちゃいますよね(笑)
ビジネス開拓で活用することを目標にしているのに会話の10%程度しか分からないと先は長い(笑)
逆に考えれば現状を踏まえた適切な目標イメージを持つことが大切だと思います。
より具体的な行動に対する自信をつけるという意味でも、30%、40%くらいは聞いてわかるレベルはあった方が、現地での活動の幅が広がります。そしてちょっとでも努力してボキャブラリー増やしていければ60%、70%くらいまで上がりそうだな、そのためにはどんなインプットを増やせばいいだろう?と考えられるとステップが見えやすくなり、モチベーションが湧いてきます。
前述の異業種交流会への参加も、リスニング能力を鍛える狙いもありました。
今は様々なリスニングの音源もありますので、ナチュラルスピードに慣れておくことは渡航前でも十分できますね。

ー海外経験を通し価値観に変化はありましたか?

2005年に中国に留学した時から念頭に置いている中国のフレーズがあって、日本語で言うと「計画は変化に追いつかない」ということです。ネガティブとポジティブと両方の意味で捉えることができるんですが、良い面としては、計画を立てることだけでなく、変化に対応することも重要ですよね、と。いかにして変わっていく中で自分自身の役割の再定義をして、価値が出せることを考え、自分なりの道を開拓していくか。この考え方は今でもすごく印象に残っていることです。

日本と新興国を比較してよく言われることが、計画と行動のバランスの違いです。
計画は行動するためのものであるが、変化が早い環境においては、綿密な計画を立てている間に、どんどん状況が変わり、当初の計画が使い物にならなくなります。全ての行動が計画ありきで考えてしまうと機会損失に繋がることもあります。行動できることが目の前に見えていて、その行動によるリスクや成果がある程度イメージできていれば、都度行動によって得られた情報や知見で計画を修正しながら進む心構えを持つ方がチャンスを掴めると思います。

ただ、新興国のそのやり方にどっぷり浸かりすぎると、今度は日本企業とのコミュニケーションが円滑に進まない、また必要以上に現地化しすぎることで日本人としての感覚が鈍り職能的価値が低下するリスクもあります。
ですので、大切なのはバランスの調整で、経験を積みながら計画重視か行動重視、どちらが今求められているのかを考え、柔軟に組み合わせていく。日本という環境で育ってきたことで身についている一般習慣が、どんなシーンでプラスになり、マイナスになるのか。
そしてそれらに自分独自のスキルや経験を加えたら、どんな効果がありそうか。そんな自分なりのレシピを作っていくような感覚で考えるとわかりやすいかもしれません。
場数を踏んで”MYレシピ”のストックが溜まってくると、柔軟性が高まりますし、この感覚は今でも日々意識して磨いているつもりです。

ー海外にこれから行く人へ伝えたいことはありますか?

旅行者ではなく、生活者目線を持つ、ということじゃないですかね。その都市・街で生活するならどんな1日、1週間を過ごすだろう?とシミュレーションしてみるんです。
例えば最近私は中華料理を作ることにハマっていて、家にいて時間に余裕があるときはほぼ作っています(笑)これって別に旅行中はやらないじゃないですか。旅行中は外食してどのレストランが美味しいか、という判断基準でいますよね。
でも料理を作る視点を持つことで、観察力が磨かれます。宿泊先の近くのスーパーでどこが安いのかな?とか、なんでここが安くてこっちは高いのか?衛生面なのか?とか、包装がしっかりしているからか?高級住宅エリアだからかな?とか。
さらに、この住宅エリアの人はショッピングや遊びに行くならどのあたりに行くのかな?何に興味を持っているのかな?など、どんどん広がります。

ビジネスを考える上でもコミュニケーションをとる上でも観察力を磨き、アンテナの感度を高めておくことで様々な話題に興味が出てきます。そうすると、会話も具体化され、質問も生まれやすくなるので情報も集まりやすくなります。
旅行者としてその土地を楽しむだけでなく、生活者としての観察力を持ち、さらにそこに外国人である自分が面白いと思う何かがないかを掘り下げていく。その意識を磨き続けることで、海外にいる面白さが見つかってきますし、もっと沢山の異文化に触れてみたいと思えるようになります。


いかがでしたでしょうか?

目的を明確に持ち、現状との差を考え、達成するために必要なことをリサーチし、ステップを踏みながらアクションを起こしていく。シンプルですが、改めてその基礎行動の重要さに気づかされました。また、日本人として持つ価値観と、海外で身につける価値観、どう状況に合わせてバランスを取っていくのか、というお話は、これから海外に挑戦する皆さんに是非知ってもらいたいと感じました!


ワーホリ国際大学校(WIU)では、このように留学やワーキングホリデーを経験し、その経験を活かして自分らしく活躍している方へのインタビューを行っております。なぜなら私たちは、実際に経験している人の話を聞き、知ることで、将来のキャリアに対してのアイデアを広げることができると考えています。知らないことは思いつきません。他の方のインタビュー記事や動画も是非見てみてください!

WIUは、あなたのやりたいを実現させるために存在します。一人ひとり夢は違うので、みんなが同じように語学学校などに行ってもやりたいことはなかなか叶いません。だからこそ、あなたが興味を持っていることから満足のいくキャリアを築けるようにサポートさせていただきます。まずは気軽にご相談ください!きっと今思っているワーホリとは違う提案ができると思います。