【現地採用から永住権ホルダーの経営者へ】シリコンバレーで日本人が活躍するために大切なこと

こんにちは!WIUマーケティング担当のMiyuです。
「そもそもワーホリでどんな経験ができるのか」「ワーホリから帰国後に次のステップに繋げることができた人は、どんな過ごし方をしたのか」……
ワーホリの形は十人十色。だからこそ、準備や現地での過ごし方、帰国後のキャリアなど、迷う方も多いのではないでしょうか?

ワーホリ経験を通して自分らしく輝いて生きている方のストーリーを取材し、お伝えしていきます。

今回は、アメリカ留学を経て現地企業に就職。
現在は経営者として日米を主な舞台としてご活躍されている近藤さんのストーリーをお届けします!

ー 今の職業とやっていることについて教えてください

アメリカのカリフォルニア州サンノゼという街、
俗に言うシリコンバレーに登記している事業開発コンサルティング会社の経営をしております。
併せて小売と地域の未来を考えるイノベーションラボみたいな会社の経営もしております。

ー海外に行ったきっかけと、現地でのキャリアを選択した理由を教えてください

そもそもこんなとこで語れるくらいのキャリア意識というか、
まぁ当時の時代感と今の時代感が違うと思うんですけども、
なんとなくアメリカに行こうというのがもともとありました。

大学時代に、プログラムとして1ヶ月のサマーセミナーで
カナダのバンクーバー近郊の町にホームステイをしていたことがあり、
北米に対して漠然と良いところだなという印象が残っていて。
大学を卒業して就職をした後に、疲れた自分で行きたいとこどこだろうと思った時に、
自然いっぱいの北米に行きたいなと思って行ったのがきっかけです。

最初は語学学校に3ヶ月通う予定で行ったのですが、
語学学校に通う気が起きずそこに行くよりは…と思って大学院に行き、卒業しました。

その後日本に戻らずにアメリカに残り続けた理由は2つあります。
前職のアメリカ松下電器(現Panasonic)に2年間くらい就職して、
その後日本に帰って懇意にしていた方が経営する福岡の会社に入る予定だったんですが、
残念ながらその方が私がアメリカで就職して1年目にガンで亡くなってしまったんです。それが1つ目。

もう1つがニューヨークの同時多発テロによる心境の変化ですね。
2001年の米国同時多発テロが起こった時に私はニューヨークにいたので、
その時になんというか”人生は儚いな”と。
家族だったり大切な人との時間を大事にしたいなと。
そんなこんなもあり、当時お付き合いしていたアメリカ人女性と結婚するという話になり、
なんとなくアメリカに残っていってしまいました。

なので、意識高く日本での就職を考えてアメリカ留学をしたというよりは、
その後の転換期も含め、都度の成り行きでアメリカに残ることになった
という感じです。

自分自身で振り返ってみると、
今叫ばれている自分のその時にやりたいことに正直になりなさい、ということを、
ある意味で実践していた
のかなと思います(笑)

ー海外に行くまでにどんな準備をしましたか?

語学の勉強はしていませんでしたが、
もともと海外のドラマや映画が好きだったというのと、アメリカの地名や歴史に興味を持っていたので、
そういうのを調べまくって、何となくアメリカってこういうところだよねっていうのをある程度頭においておきました

英語でのコミュニケーションは出来ないんですけど、
コンテンツ(話題)としてアメリカ人たちと話せるような素養みたいのは持っていた気がしますね。
それはスポーツにせよ歴史にせよ、今流行っているものだとか、そういうものにかなり敏感だったので、
言語がほとんどカタコトの言葉でも、共通のコンテンツ、理解があるのでそれで話が進んだということはありました。
準備というよりは、そういうことをやっていましたね。

あと、日本の大学を卒業して就職する前に米国留学を考えていたことがあって、
大学4年生の時に夏休みを使って3週間くらいかけて留学サポートをしてくれた方が紹介してくれた語学学校を周ったこともありました。

アメリカに行きたいという気持ちは漠然とあって、
ゆっくり時間をかけながらアメリカについて知っていくことが出来たのは良かったですね。

ー実際に現地ではどのような経験をしましたか?
また、その経験が今の自分に繋がっていると感じることは何ですか?

学生時代の経験で言うと、留学生が多く国際色豊かな人たちと話すはじめての機会だったので、
相入れない思想だとか考え方とかにまともにぶつかり合う経験をしました。

要は、議論をするんですけど、これは埒が明かないなと。
これは外国人に限らず政治世界でも宗教の違いでも何でもそうだと思うんですけど、
異なる価値観を持つ人たちと相入れるっていうのはどこまでできるかという肌感覚ですね。

ここまで主張はするんだけど、ここからは折れる、というより、
ある意味ではなあなあで同調させるやり方は日本ではあまり経験がなかったので
すごく良い経験になったなと感じます。

仕事をしてから思ったことでいうと、
アメリカは日本以上に学歴、階級社会であったりとか、グループコミュニティ社会だなと思うことですかね。
そしてそれが、これからアメリカで、もっというと海外で仕事をする上で重要な考え方だなと思っています。

何かというと、日本だと出身大学や出身地によってコミュニティがあると思うんですが、
アメリカではアイビーリーグだとかUCだとか、そういうところを卒業したというのがすごくブランドになっていて、
その卒業生で構成されたコミュニティがあって、そういうのが脈々とビジネスの中でも繋がっているんですよね。
どこに住んでるだとか、どういうコミュニティーに属しているかだとか。
その辺を理解し動いていかないといつの間にか置いてきぼりになっってしまう。

幸運なことに、私の妻がアメリカ人ということもあって、妻のご両親や関わりのあるコミュニティと話をする中で、
その方たちに合わせて行かなきゃならない、合わせていくためにはこういうことを知らなきゃいけないというのを早い段階で認識できて、
肌感覚で覚えさせてもらえたこと。
そうした経験が、もしかしたら私が長くアメリカにて、
アメリカのコミュニティに刺されているという理由かなとも感じています。

語学学校にしっかり通わず、大学院に入るまでは遊んでいた経験も、
自分の考え方というか行動原理に繋がっている
と思いますね。
どう考えたって怠慢な学生生活をしていたのですから、日本の倫理的には駄目ですよね(笑)

アメリカに渡って直ぐは、TOEFLのスコアは当時の点数で390とかボロボロの点数だったのが、
大学院入学前には525ぐらいあったんですよね。
勉強をしたかと言われると、本当にそんなにしていなくて、
でも、感覚的に答えが分かるようになっていたんです。こういう言い回しはよく友人とか使っているよねといった感じで。
大学院入学前には語学学校にてしっかり勉強せず遊んでばかりでしたが、
その間に日本のメディアやに触れる機会が少なく、ほぼ現地の言語で生活してたので、それが逆に良かったと思います。

あの時を振り返って、結果的に大学院に入るためには、
そもそも私は語学学校に行って真面目に勉強するタイプじゃなかったので、
だったらOJTでやった方が良かったんだろうななんて、過去を肯定している甘い自分もいたりします(笑)

ただ、まずやってみて、これはやりたくない、これだったらできそうだなと自分で思ったんだからいいじゃん!っていう行動原理が
今でも自分の生き方とか判断軸として生きているかなと感じていて。
経験して結果的に失敗であっても、今これやりたいと思って自発的に動いた失敗ってある程度諦めることができる。
逆になんとなくやってて、時間を無駄に使ったな、失敗しちゃったっていうのが、1番したくなかったことだと思いますね。

あと、日本にいた頃は、アメリカって何だよっていうところを知る勉強をしたのですが、
逆にアメリカに来てから勉強しなければなと感じたことは、日本のことをしっかり話せることの重要性ですね。
アメリカに来て一番感じたことは、日本のことが語れない自分って、現地の方にとっては疑問で。
それって日本人なんだから知ってて当然でしょって。
ある意味、日本にいた時よりも、日本文化とか歴史とか、日本のことを知るようになりました

そういった意味では、こちらのコミュニティに入るため、
それから自分として持っておくべき知識、日本人であるが故に聞かれることに対しての準備は早い段階でできた印象がありますね。

ー他に、現地採用としてスタートさせたキャリアが現在のご自身に繋がっていると感じることはありますか?

現在、事業開発コンサルティング会社を経営していて、
いわゆる大手戦略コンサルと言われる会社は沢山あると思うんですが、
私はあえて自身を事業開発コンサルと言っています。
所謂、戦略を策定するのではなく、実際のプロジェクトをアメリカで一緒に回しますよという事業をしますよ、と。

当時は前職の会社で主力では無い事業を1人で任されていたんです。
その時に、実績とかチャネルとか全く無い中で、いわゆるコールドコールと言われる
つてが無い中で電話をかけまくりアポを取り、実際のお客様に提案するとか、
そうした泥臭いことをハンズオンでずっとやってきたんです。
そういった経験から描いた戦略を遂行する際に起こる、色々な課題とはそれをどう突破するか、
みたいな術みたいなことをOJ Tでやってきたんですよね。

私としては戦略を描くということはもちろんで大切ですが、
描くだけじゃなくてハンズオンでアメリカで事業を回していくコンサルができることが、他のコンサル会社と自分が差別化できる部分だと考えてます。
繰り返しになりますが、
前職の仕事の中でOJTで新規事業を作り出すっていうことをずっとやってきた経験が、今に生きているなと感じています。

ここからは、アメリカでビジネスをされる中で感じることについてお伺いさせてください。

ーアメリカで成功している日本人とそうでない日本人の違いについて、どう思いますか?

まず前提として、何をもって成功と呼ぶのか?ということはありますが、
アメリカに残って自身が幸せに生活している、そのように見受けられるという観点も含めますと、
アメリカで残って頑張れてる人って2分されていているように思います。

一つは事業での成功とか何とかを考えずに、
アメリカという場所が自由だし、日本のように干渉されないから、アメリカが快適で好きだから残るっていうことを体現されている方。
いわゆる経済的な面で成功はしていないんですが、
そこに残っている方達は、現地コミュニティに同化し、ある意味アメリカ人として生活をされている方たちですね。

一方で世間一般に言うアメリカで成功している方とか、
経済的に成功されている方の特徴を考えると、
最初から会社のブランド以上に自分自身のブランドを早い段階で確立できる人が多いですかね。
例えば私の周りでも、〇〇会社の〇〇ですって自己紹介される方がいて、もう名前覚えられないんですよ。
シリコンバレーとか有名な会社が多いので、その会社名に自身のブランドが勝らない方、はなかなか残れないですね。

会社名で重宝されていた方は、自分が現地で受け入れられていると勘違いをしてしまって、
会社を途中で辞めちゃう方とかいらっしゃるんです。
結論から言うと、おそらく自分認識がちゃんと出来ていない方はアメリカで独立して経済的な成功を得るのが難しいように思いますね。

自己認識をしっかりされている方は、
僕はアメリカは面白いけど、自分の持っている実力だとやっぱり日本に帰る方が賢明だとか、
大企業の枠組みを使った方が正解だとかが良く理解できている。

一番かわいそうな人たちというのは、
アメリカに来て自分の実力以上に夢をみてしまって判断をしてしまって、経済的に挫折をして戻られる方が多いですね。
もちろん、そこでもめげずに再チャレンジできる精神力を持っている方は、また別の話ですが。

ーその自分認識はどうしたら得られるものなのでしょうか?

私の場合だと、前職時代に、米国の官公庁をお客様に事業をやっている日本人が少なかったので、ニッチになれるなって。
自分がやりたいしニッチな状況になれるな=強みになれるということと、
また、弱みは自分は外国人であることを結婚を前提にアメリカの永住権を取るということがわかっていたので、
当時は、こういった政府系のところに他の外国人い比べて、優遇されるだろうなという読みがあったんですよね。
いわゆる、自分という商品をどう売るか?みたいなことを考える事って重要だと思いますし、自己認識に繋がりますよね。

自分が岐路でこういうことやりたいかな、どうしようかなって迷った時に、やりたいかやりたくないか
その次にやりたいと思った時に、それをやるために自分の強みって何だろうってことを模索すること。

特に日本のアメリカでのビジネスパーソンの場合は、
その仕事が会社で決められたことであれ、自分で決めたことであれ、それをやるんだと覚悟を決める事
自分がドライバーズシートに乗ることがまずは大事ですよね。
その上で自分の得意技はなんだろうと。そこに加えて自身や所属している会社・組織はどのような強みを持っているか?
弱みがあるとしたら、そこをどのようににカバーしていくのかということを主体的に考えることが大切に思いますね。

駐在でアメリカに来たにせよ、現地採用にせよ、自分で何をしたいかというのと、そのしたいことを実行するという行動力
この二つがマインドセットとしては重要だと思います。

ー日本人がアメリカに挑戦するときに必要なスキルや考え方について教えてください

自分の好きな生き方としてアメリカにいる方ではなく、経済的な成功を考えるときに必要な要件として、
私自身シリコンバレーにいて感じている今日本人の方がやらなきゃいけないこととして思うのは、
まず一旦会社の枠を超えて、自分がやりたいと思っている領域、業界あるいはコミュニティに会社から言われたからでなく、
自分自身で入っいくことですかね。

自分の所属する会社と繋がりのあるベンチャーキャピタルさんがプログラムやっているから、
それを使って人脈を増やすってことをやっている方が結構多いんです。
でもそれって結局自分のネットワークになっていなくて、会社でやりとりしているだけなんで、
ストレートに言ってしまえば相手と上っ面な関係が多い。

一方で、アメリカに限らず対個人で培ったネットワークっていうのは、一生もののネットワークだし、
そこから得られる情報であるとか価値観だとか感覚だとか色んなものはすごく良いものなので、
そういうのがすごく少ないかなと思いますね。

なので例えば私が今いろんな業界のボードメンバーやアドバイザーをやっているんですけど、ほぼ日本人いないです(笑)
ここに入っているメンバーにはサムスンさんであるとか大手企業のエリートさんも多いのですが、
彼らは、企業名でなく個人として認められ、その団体に所属しているんです。
こういう方は、本国に戻っても、この団体やその団体に所属してくる将来のネットワークなんかも獲得できるんです。

正直、日本企業さんだとそういうところに入ることって会社の承認を得ないといけないとか何とかあるのでやりづらいんですよ。
会費とかも実費で払うなんて方も稀ですし。
でもこっちの会社さんって意外にそういうのをやって
人脈広がればうちのビジネスに繋がるからっていうその辺の感覚もやっぱり違うので、
個人でそういうのに入られる方多いんですよね。

自分なりにやりたいことがあって、それに入っていくという、それも自分理解に繋がると思うんですけど、
自分のやりたいことの理解、自分がいたい、快適な空間、コミュニティ、だからこそそれが仕事にも繋がるっていう。
その辺のある意味余裕がないような気がしますね。

こんなに色々なコミュニティやイベントがあって、
それこそ週末なんか日本人コミュニティでゴルフなんかやっているぐらいなら、
そんなコミュニティに積極的に参加していけばいいのにって思っちゃうんですけど、
まあそれはいろんな人の考え方があるので。

ー最後に、これから海外に留学やワーホリ行く人に、知っておいて欲しいことを教えてください

アメリカって、留学もしやすいし、駐在で来やすいし、日本人が入って行きやすい国の1つではありますが、
市民権を持っているアメリカ人でなければ、外国人であるということを常に忘れないことが大事だと思います。

何が言いたいかというと、やはりそこには愕然と差別があります。

例えば私は永住権ホルダーですが、
法律的にも経済的にもいろんな関われることの制約なんかも含めて、
米国市民でないことのデメリットが実は結構あります。
駐在員だったり留学生だったりは、そういうところのデメリットが絶対にあるので、
ここは海外であるということ、
外国人としてアメリカで仕事をする、生活するということを常に考えておいたほうが良いんじゃないかと思いますね。

それは恐らく、先ほどの自分理解、自分が置かれている環境理解だったりとか、そういうものが複合的に絡んでくると思うんですけど、
そこが本来例えばアメリカ人が日本に行ったら言語が違うやら文化が違うやらで自分の外国人感ってものすごく感じるんですけど、
良くも悪くもこちらに来ると日本人コミュニティが出来ていることとか、
会社がある程度アメリカの理解がそんなに出来ていなくても生活できる環境を与えてくれるので。

先ほどお話した独立することで失敗する、自分理解がされていないというのは、
自分が今までは会社に守られていて、法務だとか経理だとがいろんなものも全て会社がやってくれていたという環境を
ポッと出されてしまうと、自分では何も出来ないことに気づくという。

それは政府の制度だとか自治体の制度だとか結婚した時の制度だとか、
例えば自分が犯罪を犯してしまったときのすごいデメリットだとか、
そういうリスクみたいなものはある程度は理解しておいたほうがいいんだろうなとは思います。
雇用機会の方がものすごく語られるんですけど、どちらかというとリスクみたいなのも、しっかりと理解した方がいいと思います。

いかがでしたでしょうか?

自分の心に正直になって、飛び込んで経験してみる。
準備も大事だけど、何よりもその場を誰よりも楽しんでみること。
人生の岐路においては、やりたいか、やりたくないかを自分に問い、やりたいなら、それをやる実力があるのかを見極める。
シンプルですが、アメリカに限らずあらゆる場所での活躍に普遍的に繋がる本質的なことを教えていただいたインタビューでした。

ワーホリ国際大学校(WIU)では、このように留学やワーキングホリデーを経験し、その経験を活かして自分らしく活躍している方へのインタビューを行っております。なぜなら私たちは、実際に経験している人の話を聞き、知ることで、将来のキャリアに対してのアイデアを広げることができると考えています。知らないことは思いつきません。他の方のインタビュー記事や動画も是非見てみてください!

WIUは、あなたのやりたいを実現させるために存在します。一人ひとり夢は違うので、みんなが同じように語学学校などに行ってもやりたいことはなかなか叶いません。だからこそ、あなたが興味を持っていることから満足のいくキャリアを築けるようにサポートさせていただきます。まずは気軽にご相談ください!きっと今思っているワーホリとは違う提案ができると思います。