【35歳 社会人留学】不退転の決意でイギリスへ。ワークビザを獲得し現地通信社の編集長となった一人の男のストーリー

こんにちは!WIU受講生のMiyuです。

「そもそもワーホリでどんな経験ができるのか」「ワーホリから帰国後に次のステップに繋げることができた人は、どんな過ごし方をしたのか」……ワーホリの形は十人十色。だからこそ、準備や現地での過ごし方、帰国後のキャリアなど、迷う方も多いのではないでしょうか?

ワーホリ経験を通して自分らしく輝いて生きている方のストーリーを取材し、お伝えしていきます。
今回は、イギリスで編集長として活躍されたKenroさんのストーリーをお届けします!

Kenroさんは、ワーホリには行っていないのですが、学生として現地に飛び込んでから仕事を得るまでの過程、また現地で日本人ワーホリ生を採用した経験など、ワーホリや留学の参考になるお話をたくさん聞くことができました!ぜひ、自分だけのワーホリプランを考える上で参考にしてみてください。

ー 今の職業とやっていることについて教えてください

メインはロンドンでやっていた駐在員向けの経済ニュースを日本語で配信するという仕事をしています。当時は編集長で、現在は態度のデカい外注のような位置付けでやっております(笑)
配信するニュースのカバー範囲は世界全体の全業種ということを毎日やっていて、その中でも僕は自動車業界をメインにやっています。それを日本に戻ってからも遠隔で、ロンドンのスタッフと一緒にロンドンの時間に合わせて働く、というのがひとつの仕事です。

もうひとつは、3年前に日本に帰国した際に、何か日本社会に還元したいなと思い、自分の独自の英語学習法を開発してそれを販売したり教えたりするという仕事をやっております。

ー海外に行ったきっかけを教えてください

実は中高時代から、”自分は日本に合わない”という違和感を抱いていました。大学に行ったら留学しようと思ってたんですけど、結局それは実行せず、卒業旅行でようやく海外に踏み出しました。
卒業後は外資系の広告代理店に就職し、いずれは海外に住みたいと思っていたのですが、就職してみたら自分の語学力が想像より全然ダメだった。それで海外できちんと英語を出来るようにしたいという欲望があったのがひとつです。

実はもうひとつきっかけがありまして、会社で選んでもらってシドニーに行かせてもらえる経験をしました。それがあまりにも楽しくて、あまりにも日本社会とは異なり、シドニーに本格的に住みたいと思いました。そんな時に社内で出会った女性がイギリスに行きたいと言い始めて、これはいいぞと。彼女と結婚して会社を辞めて、学生として2人でイギリスに渡ったんです。それが最初のきっかけです。

その時既に35歳、これが最後のチャンスだと思って。今まで溜まっていたものがそこで爆発した感じですかね。
最初は日本語教師になるための学校がロンドンにあってそこに僕は行って、結局離婚したんですけど元奥さんはロンドン大学に入って、最初は学生として1年の予定で来ました

ー学生から現地でのお仕事に辿り着いた経緯を教えてください

2年目のあるあるで、ロンドンに行くとみんなロンドンに残りたい症候群に陥るんです。でも残るため作戦が大きく分けて2つしか無い。まずは学生を続ける。あとは現地の人間と結婚するの2つ。僕は結婚してたんで、前者。学生を続ける場合は英語学校からコンピュータ学校に行くというのが当時のお決まりのコースで、僕はコンピュータ学校に入りました。

数ヶ月後、現地で親友になった年下の日本人男性がいて、彼はその時ロンドンに9年住んでいたのですが、割り付けというPCで新聞のレイアウトを作るというバイトを見つけました。でもそいつはピアス7つしてたんで落ちたんですよ。それで数ヶ月後に、今度は編集者を募集しているという情報をくれたんで、面接に行ったら採用されてました(笑)

僕以外に4人候補がいたのですが、”お前採用するときは労働許可証を取らないといけないんだよ”って言われたんですよ。労働許可証をもらえるというのは、ロンドンに住んでる日本人にとって、まずあり得ない出来事なんですね。それ取れたら人生勝利者みたいな。で、いきなりそれを言われたんで、え?みたいな。よろしくお願いしますって(笑)

その後は数か月無賃でその会社に通いました。エッセイとか書いていいから、それ新聞載せてやるからとか言われて。今振り返ると、多分試されてたんでしょうね。モノを書いた経験もなかったのですが、大丈夫だったみたいです。

その通信社で労働許可証を取ってまで採用するというのは初の事例でしたが、実際に申請したら通ったと。そのプロセスに半年かかりましたね。今振り返ると、未経験で入社して編集長になり、最終的には永住権を手に入れることができました

ー海外に行くまでにどんな準備をしましたか?また、今思えばした方が良かった準備はありますか?

お金です(笑)お金は用意して行った方がいいですねやっぱり。僕は1年の予定だったんですが、車も売って部屋も精算して、持っていけないものは全部売りました。不退転の決意があるかどうかで随分違ってくるとは思いますが、僕はそれがあったので、家でバザールをやりました。
トータルで700万円くらい用意して行きました。奥さんは1,000万くらい持っていたと思います。万が一2年いた時に備えてという感じです。そこまで用意できなくても、おすすめは300万はあったほうがいいと思います。

お金というのは人徳があれば親や親戚から借りられるじゃないですか。それも自分を試すきっかけにすればいいと思うんです。自分っていくら人からお金を借りれるのかなって。もちろん借りなくてもいいんですけど、足りなかった場合です。本当に必要なお金って絶対入ってくるはずだから。

あとは下調べ。結構現地に着いた後は慌ただしくなります。住む国に事前に1回旅行で行くか、検索しまくるか、現地に友達がいるなら聞く。要はシュミレーションですよね。これをやらないと時間とお金が本当に無駄になる。特に海外だと住むところがすごく重要だと思っています。大家さんとか相手あってのことだし、住む地域のカラーもあります。
海外でみんながきっと実感すると思うのは、このエリアの治安がどうとか良く言われますけど、僕はエリアじゃないと思っていて、ストリートだと。いくら良いエリアに住んでいても、その通り(ストリート)がヤバいというのはよくあるので。
後は、朝と夜の状態の両方を見ることが大事です。住みたい街をウロウロして、不動産の張り紙を見たり空気感を見たりですね。

現地ならではの日本人にとって有益な情報を出しているメディアはネットにあると思うので、いわゆるクラシファイド広告は見慣れておいた方がいいです。

ー実際に現地ではどのような経験をしましたか?また、その経験が今の自分に繋がっていると感じることは何ですか?

日本の常識は世界の非常識、というのは実感しましたね。甘えの構造というのはあるのかな。大人としての行動というのを日本人は出来ないということが分かって、これじゃいかんと思って自分もそういう振る舞いをしないようにしていました。例えば、人前で怒るとか、キレるとか。それは特にヨーロッパではしない行為で、レベルの低い行為だと思われる。

ある意味予想もしない出来事が毎日イベントのように起こるんですけど、それが普通だと思うことで自分の精神状態も安定する。それも含めて生きるということだと経験させてもらって、それが今の人格形成に影響を与えていると思います。他人を許す心ですね。自分の幸せあっての他人の幸せということを彼らはよく分かっている。労働に対する価値観は変わりましたね。でもそれで世の中回っているということは、日本人も楽しむということを先に持って行った方がいい気がします。他人に対する正義感は、生きていく上で本当にどうでもいいことだと思いました。

ーここからは、現地でワーホリ人材を採用していた時のご経験について伺います。

ー実際にワーホリで渡航してくる方はどのような方が多かったですか?

お年頃の方です(笑)このまま日本で人生を続けて良いのか、この会社にいて良いのか。一念発起して海外とりあえず行くけど、留学じゃないしなぁ。現地で働く経験も得たい、正直お金も欲しい。それならワーホリ良いじゃん?ってなって来る。うまいことに大体28歳なんですよね(笑)彼氏にフラれたとか、30歳を前に将来が見えなくなって、気分転換に来る人が多いです。

でも、やっぱり前向きに人生捉えているからの決断だとは思います。後ろ向きでワーホリ来る人はいないと思うので。ある意味何か奇跡が起こるんじゃないかと思ってくる。僕はそれはそれでありだと思います。海外で経験積んで履歴書に箔をつけたいという人もいるかも知れないんですけど、どちらかというと後先考えずとりあえず気分転換したい、という人の方が多かった気がします。自分の人生を見つめ直したいとか、人生の曲がり角に来ていて、学生時代に1年留学したとかで、どこかに海外が頭の片隅に残っていた人もいますね。あとは語学ができる人はワーホリではなく留学を選択した人も結構います。イギリスは大学院1年なので。アカデミックな方向に進んで履歴書に箔をつけたい人は留学、お年頃で人生の転機に差し掛かっている人はワーホリみたいな。もちろん混ざっている方もいました。

ーその中で、現地で採用したいと思える人材はどんな人材でしたか?

まず履歴書です。例えば”日英両方の履歴書をお送りください”と書くじゃないですか。50%の確率で片方しか送ってこない。その時点でアウト。相手の言うことを読んでない。その次に履歴書を見て、内容よりも、まともな日本語か、もしくは英語かを見ます。例えばレターヘッドの言葉遣いも常識の範囲内かとか、句読点の位置とか。後は、給与や休暇について一番最初に聞いちゃう人はアウトですね。そうやってスクリーニングしないと、人間性が分からないので。まともな日本語かどうかで結構分かっちゃうんですよね。能力よりもまともな人間かどうか。日本人だったら第一言語である日本語がまともに話せるか、書けるか。そこが第一関門です。

第二関門は目的意識を持っているか。なんで留学ではなくワーホリか?そこでうまいこと言ってくれればいいんだけど、うまいこと言わない人が多い。例えば働けると思ったからですとか。それだったらうちじゃなくてもいいじゃんって。要は、正直言うと日本企業で留学生やワーホリ生を採用しようとする会社って少ないんですよ。だからある意味ビザ狙いで来るんですよ。ワーホリ終わった後もいられるかどうか。その会社は労働許可証を出してくれるか。そういう観点からうちの通信社に面接来る人が後を絶たないんです。そこのところの見極めですよね。

ワーホリ生は、正規留学生に比べると不退転の決意度が低い人が多いのは事実。ただ、無条件に2年間その国に入れるということを、どんなに有難いことか理解している人はやっぱり採用してもすごく使える人ですよね。そう言うことが分かる人です。

ーワーホリ/留学経験後、海外でやりたいことを実現できている人は、どのような人でしたか?

現地企業でインターンをして、そこから採用してもらうという流れになると思うので、まずはインターンを狙うのが良いと思います。そのために、仮面浪人じゃないですけど目の前の仕事を一生懸命やる前提で、虎視眈々といろんな手を打っておく。特にCV(履歴書)は毎週見直して常に良いものにすることは並行してやった方がいいです。まともなCVを書けるというのはスキルで、自分の人間性が高まっていないと書けないので、常にやった方が良い。いつ幸運がやってくるか分からないので、そのための時間だと思った方が良いです。滞在期間が2年あるうちに絶対にチャンスはあるから、まずはオープンマインドであることが第1条件

あとは人と人を繋ぐ武器として趣味があると良いですね。何がきっかけになるか分からないので。ミートアップに参加するとか、常に網を張っておく。こういうことはワーホリ中はもちろんですが、できればワーホリ前にもやれると良いと思います。

とどのつまり、全部情報です。いかに精度の高い情報を早めに手に入れられるかが重要。そこにやる気みたいな前向きな気持ち、心の準備ができたら最高ですね。あとお金(笑)

人生において何をやりたいか、を答えられるようにしておくのは大事です。

ー現地でワーホリを最大限楽しむためには、渡航前にどのような準備が必要だと思いますか?

先ほど言った情報とか心構えというのもそうですし、文化的な許容範囲を広げることも大事だと思います。何か未知の世界がある楽しみがあるのに、それを日本の基準に照らし合わせてしまってクソだと思ってしまうのは残念なことです。こういうものなんだなと思って、笑っていられるような気持ちで行くこと。あとは、英語を勉強していこう!事前に語学力をつけていく。下手くそでもいいから用意はして行った方が良いと思います。

ー現地でワーホリを最大限楽しむために現地でどのような行動を取るといいと思いますか?

好奇心を持つことかな。できればウロウロしてほしい。自分からコミュニケーション取らないと、行った意味が無いですね。自分からアクション取らないと何も起きないので。

あとはナンパじゃないですか、僕はしてないですけど(笑)現地の出来れば異性の友達を作ると語学力の上達とか、日本の常識が世界の非常識ということが一番理解出来ると思います。

ー最後に、これから海外に留学やワーホリ行く人に、知っておいて欲しいことを教えてください

まず、トラブルは付き物。トラブルしかないので、それを楽しむこと。トラブルに対する耐性ができるとそれだけ大人になる。自分の器が大きくなると思っています。

いかがでしたでしょうか?

大体28歳頃に、このままで良いのかモヤモヤしてワーホリを考える人が多いというのは、私にも当てはまるのでかなりドキっとしてしまいました。海外に挑戦するという前向きな決意をした自分を褒めながらも、ただ行くことに目的を置くのではなく、ワーホリを通して何を得たいのか、人生を通して何をやりたいのか、しっかりゴールを設定し準備することが大事ですね。

また、今回の内容は特にワーホリを活用して将来に海外に住みたいと考えている方にとって、ワーホリ前の準備や期間中の時間の使い方など参考になる情報がたくさんあったのではと思います!

ワーホリ国際大学校(WIU)では、このように留学やワーキングホリデーを経験し、その経験を活かして自分らしく活躍している方へのインタビューを行っております。なぜなら私たちは、実際に経験している人の話を聞き、知ることで、将来のキャリアに対してのアイデアを広げることができると考えています。知らないことは思いつきません。他の方のインタビュー記事や動画も是非見てみてください!

WIUは、あなたのやりたいを実現させるために存在します。一人ひとり夢は違うので、みんなが同じように語学学校などに行ってもやりたいことはなかなか叶いません。だからこそ、あなたが興味を持っていることから満足のいくキャリアを築けるようにサポートさせていただきます。まずは気軽にご相談ください!きっと今思っているワーホリとは違う提案ができると思います。