就活の時期に台湾留学へ「日本人」を強みに海外で働くには?

こんにちは!WIUインターンのアイリーンです。

「そもそもワーホリでどんな経験ができるのか」「ワーホリ・留学から帰国後に次のステップに繋げることができた人は、どんな過ごし方をしたのか」……海外生活の形は十人十色。だからこそ、準備や現地での過ごし方、帰国後のキャリアなど、迷う方も多いのではないでしょうか?

ワーホリや留学などの海外経験を通して自分らしく輝いて生きている方のストーリーを取材し、お伝えしていきます。

就活の時期に台湾留学へ「日本人」を強みに海外で働くには?

ー 今の職業とやっていることについて教えてください

ベースはシンガポールに住んでいて、クライアントさんは全員中国の方です。

仕事は二つあります。

1つ目は代理店営業です。中国の代理店さんが日本や海外に新しい商品を売りたい時に物事が円滑に進むように、言語的、文化的なサポートに入っています。

2つ目は、シンガポールの会社メンバーが日本人相手に仕事をする時のサポートをしています。自分がメインでやらないといけない仕事以外でも、日本で何かプロジェクトを行う際に、チーム関係なく僕がサポートに入ることが多いです。シンガポールの営業部署の中で、日本支社を経験してから海外(シンガポール)の支社に配属された日本人は僕一人だけです。そのため、今のようなポジションを担っています。

また、営業では、日本人は僕だけですが、営業以外のマーケティングやテクニカルな仕事をしている日本人は他に二人います。

ー 実際働いてみて、日本人支社から海外に出れる人の条件はありますか?

外資系企業では、誰でも応募できるオープンポジションという制度があります。

説明会ではどこでも誰でも受けられると説明を受けると思うのですが、営業の観点で言うと、当たり前なのですが、現地の人しかいらないんですよ。言葉やカルチャーを知らないのに、英語を学びたいから来るのは、仕事なのでありえないと思っています。

例えば、私の場合だと、中国語は話せたのですが、台湾で学んだため、中国系の方の中国語がわからなかったのです。会議の7割くらいは、聞き取れませんでした。

でも、なぜ生き残れたかというと、僕の会社は、日本からの売り上げが高いからです。なので、中国語がペラペラで日本語が全く話せない営業も必要ですけど、たとえ中国語がたどたどしくても、日本のことが詳しい人も言語的な面で使えるんです。

日本のことがわかって、日本語を話せるという実績で、僕は今の会社に受かりました。言語的、文化的理解ももちろんですが、会社の中で売り上げや、出身国の売り上げの強さ、立ち位置があれば、出身国だからという理由、プラス少しの言語で仕事を得ることができるんです。

海外での写真

ー日本人としての強みはどこですか?

海外で仕事をするには、日本人の文化やカルチャーがわかることが強みになります。

たとえテクニカル的に、パスポートを変更することで国籍は変えられても、生まれた場所は変えられないですし、生まれた場所のコンテクストもわからないんですよ。

例えば、日本人に「板東英二」と言ったら「板東英二=ゆで卵」が出てくると思うのですが、逆に中国に行くと、お客さんとご飯を食べに行っても僕だけ笑えない場面があるんです。

その事実はもう変えることができないので、日本人が現地で残っていくには周りの人が持っていないモノを活かしていかないといけません。そうしないと現地やネイティブの人に勝てないからです。だからこそ、自分の強みが活かせる場所で一点突破しないとどう考えても営業では絶対に現地の人に勝てません。

日本人であることが、自分の最大の強みだと思っています。

仕事の仕方という意味では、日本人はきっちりしているので、必ず時間を守ります。僕個人としても、仕事は締め切りを守ることをすごく意識しています。そこに関しては、当たり前のように締め切りを守らない人も多いので、チームからすごく信頼されています。

締切を意識して考えると、明日までにはこれをやらないといけないという「枠組み」が作れるので、プロジェクトマネジメントをしていく上では、日本人が当たり前にそれができるということは、強みだと感じています。

ー 台湾に留学していたとお聞きしたのですが、留学へ行った経緯を教えて下さい。

留学は、大学の4年生の前期に行きました。

ちょうど2月3月という就職が始まる一番重要なタイミングでした。

当時、僕の周りは帰国子女ばかりでした。学生の時は、やっぱり英語が出来る人ってかっこいいと思ってましたし、将来海外に行きたいと考えた時に、僕は23年間日本で育ったので、どう頑張ってもネイティブになれません。

そう考えてみると、帰国子女やネイティブの方と同じ土俵で闘いたい、という思いは、単なる自分のわがままでしかないことに気づきました。

だったら、ネイティブじゃないけど英語で仕事ができる、かつ中国語ができるとネイティブの人と比べてもチャンスが広がるのではないかな?と思いました。

また、その時にちょうど良い交換留学制度があり、台湾に行くことにしました。

その経験があったからこそ、中国語を活かした今のポジションにつけています。今思うと、良い決断だったと思います。

交換留学の時の画像

ー 海外に行くまでにどんな準備をしましたか?

台湾には、7カ月いました。でも当時は、ニーハオくらいしか話せませんでした。

しかし、留学後には、日常会話はある程度できるくらいになってから帰ってきました。

他には、台湾に行く前がちょうど就活の時期でした。また、僕は大学を4年で卒業したかったので、面接ができない時に留学してしまったので、就活の準備はしていました。

「台湾に行くので、面接を待ってほしい」などをすでに企業側に話してある状態で、オンラインで対応してもらったり、早めに内定をもらったりしていました。

ー 海外に行く前にした方が良いことは?

自分がやってよかったなと思うのは、現地の友達を海外に行く前に作れた事でした。6か月で語学を身に付けるには、そもそも海外で友達を作るステップを省かないといけないと思ったんです。

その当時、自分の通う大学には、台湾からの留学生が多く、留学先に台湾人の友達がたくさんいたので、友達のいる国に行こうと思いました。

友達がある程度いると、そこから言語も教えてもらえますし、色々と友達の紹介もしてもらえるので、中国語を話す機会がどんどん増えていきました。

本当に現地で友達を作るとなったら、自分から声をかけたりしないと難しいです。だから前もって現地の友達が一人でもいると早いです。新しく友達を作るスキルも大事ですけど、僕は友達の輪を使って広げていきました。

僕の場合は語学力よりも、海外の文化や、何が流行っているかを学んだり、共通の話題を作ったことが自分のためになったと思います。僕はドラマオタクだったので、電車の通学中、中国語の字幕をつけて、往復4時間分、台湾ドラマを見ていました。台湾のドラマをたくさん見て、好きな女優やドラマの話をずっとしていたので、それが友達になるきっかけになりました。

異文化理解した時の画像

ー どんな経験をしましたか?また、その経験はどのようにご自身の今に繋がっていますか?

2つあります。

一つは、就活の時期に留学に行ったという経験です。僕は就活の時期に行ってよかったと思っています。行く前は、「就職どうするの?」とよく聞かれ、それを言われるのが嫌でした。自分で考えて、留学に行く前から内定ももらっていましたし、帰国後の面接などを取り付けていました。

色々と枠組みはあると思いますが、会社側から考えてみると、欲しい人材だと思ってもらえたら、絶対に融通してもらえると思います。そもそも融通しない会社は、自分からは願い下げで受けませんでした。枠組みに固執せずに、融通が効くという経験が大きかったです。

二つ目は、台湾で得た経験です。渡航前、僕は中国語が全く出来なかったです。ですが台湾人はとても親日で、「せっかく台湾に来ているから、中国語で話そう」と言ってくれ、何もわからない僕のために一語一句文字にして教えてくれたり、向こうが英語を話せるのに、わざと中国語を使ってくれていました。「こんなに助けてもらえるんだ!」という実感をそこで得られたからこそ、何が辛いのか、何をしたら嬉しいのかがわかるようになりました。

今の仕事でも、ほとんど日本語ができない人ばかりなので、人に多めに日本語を教えたり、わざと日本語で話しかけると、関係性もよくできます。気に入られるようなことをわかっているので、僕が完璧に中国語を話せなくても、疎外感なく、信頼してもらえるようになったのだと思います。

ー 今思う、欲しい人材はどんな人ですか?

語学と専門知識の両方を兼ね揃えた人を採用したいです。

英語だけを話すことができても、ネイティブの話す英語には叶いません。しかし、なにか「オタク的に」好きなものがあれば、後は翻訳機能があれば、意思疎通はできるようになります。

語学が出来て、専門知識がとがっている人材は、より就職に有利になると思います。

ー 海外に行って、何が一番よかったか?/ どこで自分の価値観が変わったか

イチローの記者会見にもあるのですが、「マイノリティーのことを肌感覚でわかる」ことがすごく大事だと思います。

自分自身がマイノリティとして立った時、自分の価値観と違うものに触れることが多くります。「これは嫌だ」と感じた時に、胃の痛みや、イライラを感じたり、感情が揺さぶられる瞬間があります。嫌なことがわかることで、自分を深く理解することに繋がりますし、教科書では絶対に学べない体験でした。

「差別」も自分が体験すると、他の人に起こった時に、気づくことができるようになりました。

また、価値観で言うと、どこにいても目の前の関わる人を大切にすることには変わりはないと気づきました。

国や宗教よりも、人口が何十億といたとしても、結果的には、目の前の人とどう関わるかが重要です。どこで育ったかはある程度、関係はありますが、みんな人間なので、大部分は変わらないと思います。1対1で関係を築くのは、上手になった気がします。

海外での写真

ー これから海外に行く人に、知っておいて欲しいこと

僕は「海外に行きたい」という表現をするのは抽象的すぎると思っています。

自分がなぜその国に行きたいのか、どう生きたいのかをより具体的に考えるべきです。更に、自分の最低限で受け入れられる生活水準を把握し、自己承認欲求も満たす方法を見つけることはすごく大事だと思っています。

就活をしていた時に、グローバルな視点を持つ日系の大手企業と海外比率が70%を超える中小企業のねじを売るメーカーへの内定をもらいました。中小企業からは「すぐに海外に行ける」と言われたのですが、僕は大手を選びました。

そこで気づいたことは、僕は海外に行きたかったけど、海外に行くこと自体がゴールではなかったという事でした。すぐに海外行くより、自分で仕事して、戦えるような状態になってから海外に行きたいと思いました。生活水準を下げたくもありませんでした。なので、どれだけ給料が必要でどれだけ生活費がかかるかを考えることも重要な点でした。

海外に行くことは、意外と簡単です。でも、なにより大切なのは、海外で自己実現をしていくために、自分のやりたい事ができる国を選び、実力をつけることです。

準備をするなら、行きたい国の物価や政治情勢、そして仕事面ではどの業界が伸びているのかを調べてください。アメリカで活躍できる人材とシンガポールで活躍できる人材は違います。その国のどの産業が強くて、どういった仕事をしている人が多いのかを調べれば、「自分はエンジニアだからこの国」「メーカーとして行きたいからこの国」などの準備ができると思います。

ー 今の学生や就活生に伝えたいことは?

就活は、長期的に考えると良いと思います。

僕が人事だったら、大学をストレートに4年間で卒業した人よりも、大学を卒業するのに6年間かかり、2年間好きなことをやってきた人の方を採用したいと思います。

社会人になって、2-3年は微々たるものです。年齢よりも、何が好きなのかを知りたいです。

好きなことがわからないから海外に探しに行くのはあまりオススメしませんが、時間が必要であるならば、海外にギャップイヤーを取って行っても良いと思います。

やりたいことがあり、まだ就活したくないのであれば、周りから色々と言われても、1年、2年、3年くらいなら海外に行った方が5年後にはより後悔しない道を歩めていると思います。

やりたいことがなかったとしても、悪いことではありません。経験していないことについては、わかるわけがありません。私は、やりたいことがなかったからこそ、色んなことを経験できる会社で忙しく働かせてもらって、自分のやりたいことが少しづつわかってきました。

頭で考えるより、この三年間やりたいことを見つけるために働く方が良いと思います。悩んでいるなら、一回働いてみて、それから自分の好きなこと、嫌いなことを見つけていけばいいです。嫌なところをつぶしていけば、いいと思います。

海外に行った人がよく言ってると思うのですが、海外で働くこと自体はそんなに難しいことではありません。みんな海外に行く前に悩んでしまうから、行けていないだけで、実際に来てみると、海外の方が楽なことが非常に多いです。海外に行くことは難しいと思う人は、自分で勝手に壁を作ってしまっているだけです。そんなに難しいことではないと考えを改め、ぜひ挑戦してみてください。

海外での写真

いかがでしたでしょうか?

シンガポールの支社で唯一の日本人として働きながら、自分の強みを活かして、会社内で圧倒的な信頼度を得られてきた城田さん。日本にいると意識しないかもしれない「日本人の強み、弱み」などを改めて認識させてくれました。

海外で仕事をすることへの具体的なイメージができるようになった人もいるのではないでしょうか?「海外に行くことは難しくない」という言葉を信じて、自分の理想の海外生活を思い描いてみましょう。

ワーホリ国際大学校(WIU)では、このように留学やワーキングホリデーを経験し、その経験を活かして自分らしく活躍している方へのインタビューを行っております。なぜなら私たちは、実際に経験している人の話を聞き、知ることで、将来のキャリアに対してのアイデアを広げることができると考えています。知らないことは思いつきません。他の方のインタビュー記事や動画も是非見てみてください!

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